「脳の闇」中野信子著
2023年 03月 27日
最近の新書版は字も大きく,隙間もあって読みやすいが、
この本はそうはいかない。
ともかく読むのに厄介で、委縮してしまった私の脳には専門用語が覚えられず、ときおり前に戻って読み直すこともあり、前にもどったからと言って、その解説はなく当たり前のように用語が使われている。
少ない脳ミソをフル稼働して読むという個所が何度もあり、そのあげく、すぐに内容を忘れてしまうのだから厄介な本だ。
それもそのはず、最後の著者のあとがきに
「この本はみんなにわかりやすく斟酌するなどという気持ちはなく、バカには読めない本である」
と堂々と書いてある。
そうか、やっぱり・・・そうか。
それでもバカはバカなりに印象に残る部分があった。
ヒトは1日最大3万6千回の選択をしているというのだ。
「ランチに何を食べようか」というシンプルな選択から、人生を左右する選択もある。
それなのに、脳は体の2%で、この2%の部分で次から次へと迫る選択はしんどいのだ。
だから人間は考えることに疲れ、決められたことを守る、あるいは自分の考えと近い人の意見に乗る方が楽なことを学んでいく。
SNSの意見に流されていくのもある意味では考えることを放棄しているのだろう。
考えてもしかたがないことは切り捨ていって、脳を休めるのが良いか
いや考え続け、衰えるのを阻止するのが良いのか・・・やれやれこれも脳を使って考えるのだ。
さて、みなさんはどの程度脳をお使いでしょうか?