このひと月の不安と感謝 「医師は最悪の想定を説明し、患者は最良を期待する」
2019年 08月 16日
医師が本人を含め家族に写真を見せながら、あるいは図を書きながら、検査の結果を丁寧に説明をしてくださり、経過を待つか新たな治療にはいります。
新たな治療や検査に入るたびに、本人あるいは家族が代理で承諾書にサインをします。
このひと月の承諾書の量はクリアファイルにあまるほどです。
医師の説明は治療のリスクをクローズアップして説明します。
本人や家族は良い結果を信じて署名をします。
例え危険なリスクが10%ありますと説明されても、きっとこの先生は最善をつくしてくれて、そのリスクは回避されるに違いないと、心の片隅に不安をもちながらも.良い方へとつい考えてしまいます。
実際には医師の治療リスクの説明はクレーマーの対策でしょうか?
一生懸命治療にあたってくれるお医者様を信頼する気持ちがなく、症状が悪くなれば医師のせいにする・・・こんなことが繰り返された結果、こんなことまでと思える過剰な承諾書へのサインになるのでしょう。
もはや私たちの社会には、信頼・寛容・感謝という気持ちが薄れてしまったのかと承諾書にサインをするたびに心が痛みました。
そういえばこの病院で、ある宗教の輸血拒否問題がおきて、その後社会問題になったことがありました。
昔は承諾書といえば輸血と手術のらいだったきがします。
クレーマーの訴訟対策にあわせて、医療が高度化していることも、承諾書の多さにつながっているのかもしれません。
家族はいくら心配しても手をくだす方法はなく、医師の誠意と直感と技術をたよるしかない心細さにたいし、家族への詳細な説明は有難いものでした。
お医者様はがなんとか母の生活の質を保ちたいといろいろ治療法を検討してくださっていることを、よく理解できました。
担当チーム、担当医師を心から信頼出来たのは幸せなことでした。