甘く見てはいけないヨルダン・イスラエルの旅③ネボ山
2018年 12月 03日
キリスト教の信者の方に許しを得て、聖書を聖典ではなく物語的にとらえれば旧約聖書の中に主人公の一人がモーセです。
モーセは預言者として神の言葉を民に伝えます。
エジプトで虐げられていたヘブライ民族イスラエルの民を率いてカナンの地、エルサレムを目指します。
エジプトのファラオに追われる中、有名な海が割れる話しや「十戒」はモーセの話として良く知られています。
そのモーセの終焉に地と言われるのがネボ山です。
ネボ山からは晴れていればエルサレムも見える場所ですが、モーセの一行はそこに入場することはかなわず、モーセはここで世を去りました。
私たちはこの日、死海を望むことができました。
120歳であったと伝えられていることから考えても、本当のところ、どこまでが事実でどこまでが作りは話かはわかりません。
旧約聖書がユダヤ教、キリスト教、イスラム教の原点となっていることから、モーセという人物の影響力の大きさがわかります。
「出エジプト記」に記された背景は、この荒れ野の連続だったのでしょう。
カナンを背に建てられた十字架像はイタリアの芸術家によって作成されました。
十字架にからむ蛇は神から与えられた杖が蛇に変わる奇跡にちなんだものだったのしょうか。
モーセの死を悼んで作られた教会のモザイクが今も新しく建てられた教会の中で見ることができます。
チュニジアで見たモザイク遺跡に似ていて中東から北アフリカにつながるこの辺りの文化のつながりを知りました。
今、この地に建って、カナンの地を一望にし、世界中の大きな影響力を持つ宗教の始まりがこの荒れ野であったことに感動を覚えました。
日本では想像もつかないこの風土を見たことによってキリスト教やそのの宗教画が少し身近なものになりました。
ネボ山は私にとって期待以上の場所でした。