開高健著「ロビンソンの末裔」と「日本三文オペラ」

戦後、人々はどうやって生き延びたか?


「ロビンソンの末裔」は終戦間もない時期に食べ物もなく苦しい生活をしていた家族が、住居や仕事が用意されているかのような甘い誘いに乗って北海道に入った開拓民の話し、

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熊笹ばかりの大地を道具ひとつないところから開梱してゆく

やがて。同じ時期に来た人々が一人去り、二人去ってゆく

ある時は行政に泣きつき、またある時は抗議する

けれど、結局自分の力を信じて、ひとつひとつ切り開いていくしかなかった。


「日本三文オペラ」は大阪で旧陸軍砲兵工廠跡地で工場の残骸から鉄などの金属を掘り出して盗み、それを売って暮らしていたアパッチ族と呼ばれた人々の生活が描かれている。身寄りも、仕事も、住む場所もない人々の集落であった。

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連携プレーによって警察の眼をごまかしていたが、やがて、大掛かりな取り締まりのためにその生活も立ち行かなくなる。

大阪城のすぐ近く、今はビルが立ち並ぶ場所だ。


私、、、戦争が終わってから5年後に生まれた。

小学生低学年の頃、父の出張について座席が垂直な東海道線で大阪に行った。

梅田の駅にはたばこの吸い殻を拾っている人がいた。

吸い殻を撒き直して、売るのだと父が教えてくれた。

切符売り場のまわりにに何人も切符を売っている私服の人がいた。

回数券を1枚ずつ売って、1枚余分についてくる分が自分の儲けになると教わった。

子供ながら、カルチャーショックを受けた。

思い返せば、街には白い服を着た復員兵が投げ銭を待っていた頃である。

そして、一方では高度成長に入りかけた、「これからいいことがありそう」という時代であった。


この二冊の本の中に、戦後をたくましく生きてきた人々の足跡がある。

人間は強いのか、弱いのか?

この世に生を受けた以上、ただひたすら生きる道を求めるしかない。

生きるために頑張る人々に著者開高の眼差しは温かかった。



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by shinn-lily | 2018-01-30 15:03 | | Trackback

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