ビゴーが見た日本人 清水 勲著

ビゴーが見た日本人
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一匹の魚を日本人と中国(清)人が釣り上げようとしている。

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橋の上から見て横取りをたくらむロシア人。
1887年2月15日「ドバエ1号」魚釣り遊び
フランス人風刺画家ジョルジュ・ビゴーの名前は知らなかったが、この絵は教科書で見て知っていた。
この当時、朝鮮の揺れ動くさまはイザベラバード著「朝鮮紀行」によく著されている。
イザベラバードは当時の朝鮮の人々に愛情を持ちながら、筆を尽くしている。
朝鮮側の視線と、他国の視線がわたしの意識の中でからんでくる。

もう一枚当時の様子を風刺した絵がある。
タイトルは「赤ん坊(朝鮮)の養育はどちらがやるか!」

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小国日本と大国ロシアが奪い合っている。後ろでイギリスが成り行きを見ている。
清国はもはやその場にいない。刻々と情勢が変化してゆく。
その後、ロシアが大きな力を持つことを恐れたイギリスが日本よりになり、日本は朝鮮を植民地化することになる。

今、隣国と仲良くしたいと望んでいる私にとって、帝国主義当時の日本を見るのは忍びない。
しかし、この2枚の絵は当時の国と国の思惑をよく描いている、そしてその歴史的事実に対して目をそむけてはならないと肝に命じるのである。

ビゴーは21歳でフランスから日本に渡り、多くの日本女性とかかわりを持ち、日本人の妻を持ったが、17年後、離縁してフランスに戻っている。
当初は日本の美術に憧れてやってきたビゴーだったが、次第に日本の人々に興味を抱き、働く男女、遊郭の女、裸の女、外国に追いつこうとかぶれる人々などの風刺画をたくさん残している。
開国して初めて世界に目を向けた日本人の滑稽さ、必死さ、醜さ、美しさを日本人の中に紛れ込んで描きつづけた。
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「風刺画とはなにか」、最近気になるテーマではあるが、風刺されている日本人として、むしろこうした人々の生活の上に今の日本があるのだという気持ちで見ることができる。

外国人が美術品を買い集める。
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明治維新で経済的にひっ迫した藩主は家臣に美術品を分けた。
その美術品をまた現金を得るために外国人に売り払った。
ボストン美術館などに多く見られた日本の美術品はこうして海外に流出した・・・まさしくその現場である。

たぶん、ビゴーは日本人が好きだったのだろう。
風刺画からは風刺だけではなく、そんな気持ちが伝わってくるのだ。
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by shinn-lily | 2015-02-24 22:05 | | Trackback

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