おかげさまで韓国全州ひとり旅⑩ 一番好きな場所
2014年 11月 22日
ここは朝鮮王朝建国の祖李成桂(イ・ソンゲ)の肖像画を奉安するために1410年に建設され、1549年、慶長の役で焼失後、1614年に改築されたものです。
韓国の文化遺産を巡ると、この慶長の役がしばしば登場し、肩身の狭い思いをします。
脇の門をくぐると、小学生の子供たちが遊んでいます。
日本の「はないちもんめ」同じなのですが、ものすごく大きな集団です。
引率の二人先生は足が長くスタイルの良い若い女性で、まるでドラマに出てくる女優さんのように可愛らしいです。
「はないちもんめ」って残酷な遊びですよね。ひとりずつ指名を受ける。指名を受けないで残る子供の気持ちをつい考えてしまいます。
どんな言葉がわかるわけもないのですが、子供たちが興奮してあまりにがなりたてるので聞き取れませんでした。
先生がどうも「同じ子はだめよ」と言っているようでした。
韓屋村の端に全州郷校(チョンジュヒャンギョウ)があります。
今でいえば学校ですが、昔は科挙を通った優秀な両班の子弟か集っていたのでしょう。
この場所で、韓流ドラマ「成均館スキャンダル」の一部が撮影されということを知ったのは、旅先を当地に決めたあとでした。
「成均館スキャンダル」は科挙を受かった子弟のいわば学園ドラマであり、その中に男装した女性が混ざってしまったというところから、物語が展開します。
李王朝の時代を背景に思春期の青年たちの心揺らぐ姿が描かれ、架空の物語とわかってもなかなか楽しいドラマでした。
教室であった明倫堂は今も使われているようです。
4人の若者の一人、ややアウトサイダー的思考のコロは木の上でひとり考えることを好みます。
この木です。
この大きな銀杏の木、今は銀杏がたわわに実っていました。そっと落ちている銀杏を踏まないように木を見上げてみます。
ヒロインのキム・ユンシクの弓を弾く力を鍛えるために使った百日紅の木です。
イ・ソンジュン役のユチョンはいつも彼女を助けます。
このサルスベリが使われたのでしょうか。
ドラマを何度もみたせいか
今ここに誰もいなくても、かつて青年たちが学び、競い、憂い、喜びあったこの場所を
座って眺めていると、彼らの声が聞こえてくるようです。
おりしも、なにかの文化行事らしく、儀礼服を着た方々が集まっていました。
韓服にスニーカもご愛嬌です。
時空を超えて物思いにふけり、できればもうしばらく座ってここの空間にいたい・・・
全州郷校は今回のわたしの旅の中で一番好きな場所となりました。