この町で

富士山がこんな風に大きく見える場所でしばらく暮らしたことがある。
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振り返れば海、駿河湾が望める
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静岡県三島市、昔なら東海道を西にむかって箱根の山越えをし、やれやれと息をつく場所である。

用事があって久しぶりに訪ねた。
空気が違うと感じた。
温暖な地域ではあるが、それではなく、いやそのせいか
人々の息遣いの空気が違うのである。
お花を買えば、端数は切り捨てて
「今日は特別さむいですねぇ…」と親しげに話しかけてくる。
そういえば、若い駅員さんもパスモは熱海まででここでは使えないと、ていねいに説明してくれた。
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住んでいたところだから、美味しいものは知っている。
緑町のうなよしにお土産のうなぎ弁当をまず頼み
三島大社を背にして広小路へ向かうあたり、和菓子の「兎月園」へ
三島では老舗の大きな店である。
洋菓子も販売しているのが地方らしくほほえましい。
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京都や金沢の研ぎ澄まされて洗練された菓子ではないが、なんとも親しみがあるここの和菓子を昔から大好きであったし、甘いもの好きの母も楽しみにしているのだ。
「うぐいす餅、桜餅、草餅、利休饅頭に…」
「こちらの小さな練り菓子も5つ入りを…」
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節分の豆、鬼のお面付きは娘と妹宅と我が家分に…「鬼は外」とちゃんとみんなやってね
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「合計3510円です。〇〇カードをおつくりしますから」
他のお客様を見送った女将さん風情の感じの方ガ来て、従業員に
「3500円でね。」そして私に向かって
「〇〇カードをおもちですか、持っていなければおつくりします」
「いえ、川崎から来たもので、あまり来れませんから結構です」と私。
「そうですか川崎から?」
「ええ、母が兎月園さんの和菓子が好きで楽しみにしているのです。これを買わずに帰れないのですよ」
事実、前日暗黙の和菓子コールを察知していたのだ。
「まあ、嬉しい、そんな風に言っていただいたら本当に嬉しいわ」
と言いながら、あれよあれよと袋に草もちとドラ焼きを2つづ入れて
「電車の中で食べて」と。
「えー、こんなにたくさんいただけません」
「大丈夫、ウチは売るほどあるのよ」
「でしたら、今度はお土産を持って買いにこなければならないじゃないですか」
遠慮しつつもありがたく頂戴した。
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和菓子を4つもいただいたのももちろん嬉しかったけれど、こんなふうに人と人との気持ちのつながりが嬉しくてたまらなかった。

かつて、楽しいこともたくさんあったが、それ以上に悲しい想いをしたこの町が
こんなに暖かかった。

この日は夕飯に間に合うように急いで帰宅した。
お土産を喜んでくれる人が待っていてくれるのが嬉しい。
母と今日1日のことを話しながらいただくうなぎと和菓子はなんだかほかほかしていた。
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by shinn-lily | 2013-01-31 00:00 | 大切な場所 | Trackback

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