おばあ、待っててね~

わたしがお世話になっている美容院は沖縄の若者が多い。
ヘアー終了後メークを直してくれる女性も目がぱっちりとして、可愛らしい沖縄人。
先日シャンプーをしてくれたアシスタントも沖縄出身だそうだ。
つるの剛をもっといい男にしたようなマスク、動きもきびきびとしている。
それでも話し出すと、沖縄言葉がなんとも言えず優しい。
語尾が延びて、わさわさした気持ちが静まる。

夏前はホームシックで元気がなかった新人アシスタント金城君(仮名)もパーマをかけて、すっかりかっこ良くなってしまった。
つるの剛似のスタッフが
「垢抜けてきましたよね、彼。沖縄でも僕よりずーっと奥から来ているです」と。
後輩を暖かく見守る雰囲気
そういえばカラーカットをしてくれる技術者も、「金城君、サンシンの名手なんですよ。
お店の前でやった沖縄のイベントで弾いてあげたら、とても喜ばれてね。」
と我が事のように話す。

この美容院、居心地が良い。

カラーが終わると、たいていは金城君がシャンプーをしてくれる。
器用ではない。けれども一生懸命だ。
心が弱っていても、大きな目で変わらぬ笑顔をみせてくれる。
4人兄弟で最初は女の人の髪をさわるのも大変だったと。
たしかに6月頃にはおずおずしていた。
だからやたらにシャンプーの時間がかかる。
じっと我慢する。
丁寧に、丁寧にやってくれるのだから、その気持ちに答えたい。
一生懸命な若者には私は弱いのだ。
が、垢抜けるのはちょっと早すぎない?
太鼓をたたきながら紫のはちまきを巻いて、エイサーを踊っているのが似合いそうで、
潮の香りやちらっと幼さが出る沖縄の青年の横顔を鏡の中に見ながら
この顔がまもなく都会の顔になっていくのだなぁとひそかに感慨にふける。
今の一生懸命な気持ちと沖縄が大好きなすなおな性格は変わらないで欲しい。


お正月は沖縄に帰るの?
「はい」と嬉しそうに返事。
「帰ったら、なにが一番食べたいの?」
「おばあのつくってくれるそばかな~?」
「ああ、そうきそばって言うあれ?」
「小学生の頃、土曜日は兄弟、従弟がみんなおばあの家に行って、そばを食べたのですよ」
おばあはみんなの心の広場だったのね。
おばあに会ってみたくなった。

金城君のおばあへ
金城君はあとひと月ほどしたらおばあのところに帰りますよ~
夏とは見違えるほど、かっこよくなって、堂々としてきましたよ~
ちょっと不器用なところもあるけれど、一心に働いていますよ~
仲間に大切にされていますよ~
お土産は豊島屋の鳩サブレですよ~
お小遣いもくれるかもしれませんよ~

おばあ、待っててね~ ~ ~

おばあ、待っててね~_b0116765_21484719.jpg

by shinn-lily | 2012-11-21 05:48 | まわり | Trackback

毎日1つ幸せみつけ    


by shinn-lily
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31