優れた部品をつくる人々

2002年ルネサステクノロジーという企業が創立した時の驚きを忘れない。
業界のことを知らないせいだったかもしれない。
ライバル会社である、日立と三菱が関連部門を統合して出来上がった企業である。
この頃から、ライバルという垣根、別企業という垣根を取り外し、利益を追究しなければならない時代に突入した感覚が残っている。
その後、NECエレクトロニクスを統合し、日本を代表する半導体企業とルネサスエレクトロニクと社名も変えた。
当時、調達部門に在籍していたので、まもなくルネサス製の部品がどんどん増えていくのを目の当たりにした。
東日本大震災で、8工場の部品供給が停止し、日本の製造業だけでななく世界の製造業に多大な被害が及んだということは記憶に新しい。
そのルネサスが経営不振である。
アメリカの投資ファンドが援助を申し出ているが
どうやらトヨタ・日産・ホンダが資金を出し合うことで救済の道筋がたったようだ。
何故、車メーカーが支援を?…
ルネサスの半導体製造過程に海外に流出されたくない技術が含まれており、もしそうなれば世界で車販売の競争力を失うことになるそうだ。
そもそも経営不振の原因は大手日本企業がルネサンスにいろいろな半導体をつくらせては
『もう少し安くなりませんか』とささやきつづけたことにあるらしい。
これは企業の調達部門としては当然の仕事であるのだが、
そのことがルネサンスの首を締めた。
リストラなどの大きな痛みを伴いながら、今再生にむかっている。



製造業のコストを圧縮して利益を上げなければ生き残れない。
製品の価格競争もある。
しかし一方には部品が手に入らなければ、極端に言えば1つの部品でも手に入らなければ
製品は完成しないのだ。部品入手困難は製造業にとっては致命的な痛手だ.

特殊な加工技術を持った町工場の職人さんたちが、老齢化して、廃業してゆく。
一生懸命、企業が要求する厳しい精度のものをつくり続け、しかも『安く』とたたかれ、そんな世界に後継者は出てこないだろう。
むしろ、こうしたコストダウンは限界にきているから、若者は別の世界で羽ばたくことを夢みることを阻止はできない。
町工場には、日本の高度成長を作り上げたのは我々だという誇りは残った。
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日本の大手企業がルネサスに対してやってきたことは結局自分たちの首を締めることだった。
『安く、安く』と協力会社に要求することが結局は部品入手困難への道へ繋がる。
消費者は少しでも安くて良いものを欲しがる。
消費者の欲しているお徳感にどうやって対応していくか。

エルメスのバーキンを買う人がたくさんいる
アップルの製品を手にして高揚する人々がたくさんいる。

『私たち日本の製造業の目指すところは』
つねに頭から離れないテーマである。






中国へ出荷した製品が故意に通関を引き延ばされていると報道があった。
それを受けてある評論家が、日本製の部品納期をなにげなく遅らせていけば、中国は製品を作れないから音を上げると言った。
日本のメーカーは信用第一で存続している。
必死に頑張っている企業に代理戦争をやれというのか。
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by shinn-lily | 2012-10-22 22:19 | まわり | Trackback

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