武相荘にて
2009年 11月 08日
車で15分ほど、小田急線の鶴川駅の近く、白洲次郎、正子邸、武相荘がそれである。
祭日の一日、yumiyaneさんが我家の周り、新百合ヶ丘探訪に来てくれるというので、まずはそちらにご案内することにした。
今回は2度目の訪問、本日の楽しみは正子さんの蔵書をもう一度見ることだ。
作家の蔵書は作家の思考の源を見せるようで、本当の自分が大切にしている本はきっと陰にしまってあるに違いないとおもうのだけれども・・・
正子さんの蔵書は哲学書から美術書、文庫本に雑誌、本棚もしなる北側の部屋に小さな机をしつらえ、そこで著書をしたためていたようである。
だいたい蔵書の前で写真を撮っている作家や大学教授や評論家、いつも恥ずかしくないのかな?と思いながら、どんな本を持っているのかと見るのは結構楽しみだ。
ここ武相荘はブログ開設者の好みの場所のためか、たくさんの方がupしている、ところが家の中の写真は禁止、それでは、庭はというとそれほど、広くない
竹やぶの前にたたずむ野仏さまやら小さな石塔はきっとみなさんがupしているのだろうなと思いながら、しかも私自身も2回目、やっぱりupしたくなく愛らしさだ。
「今日ここで一番よかったのは雑木林」とyumiyaneさんの感想だ。
茅葺の家の奥に小道の入り口があり
そこに続く武蔵野の雑木林
「故郷の木と違う?」
「うん、全然違うの」
同じ大学に通っていた頃から友人である私たち二人にはここの雑木林の木々には共通の思いがある。
学園にはここで見られるような雑木林が広がっていたからだ。そこにはそれぞれの思い出がたくさんある。
当日はその学園では文化祭、多くの学生や卒業生でにぎわっていることだろう。
何十年来のおつきあいが続いていて、おたがいに挨拶もしないうちに心の内を語ることが出来る友人と、今日こうしたゆったりとした時間を持てたことを、雑木林をみながら、深く感謝した。
出入り口にある小さな建物はショップになっている。
私たちは旅でもそうであるように、思い思いのものをそれぞれ見て歩く。
yumiyaneさんはその間、私と母と妹へのこんな素敵な子風呂敷を買っておいてくれた。
素敵な柄でしょう。有難う!
私は、最近知り合いの万葉集の一句についての文章を読んで、少し古典に戻ってみようと考えていたので、
そのきっかけにとこの本を購入した。
正子さんの蔵書は蔵書へのきばりがなかったが、正子さんの本はあきらかに蔵書となるように、ハードカバーで美しくできているが価格が高い。文庫本にもならない。これはプロデュースされた販売戦略なのだろう。
それはそれとして、この表紙、色男在原業平・・・その世界、伊勢物語にしばしもどってみるのも楽しそうだ。
おうちの中は、展示用に片づけられていたので感じられなかったのですが、雑木林の中には、いらしたころと同じものがあるように感じたのです。
武相荘では、お二人ともすごくsimpleに暮らしていらしたのでしょうね。
私は、「白洲正子と楽しむ旅」を少し前に買っていたので、もう一度読み返しています。青柳くんも書いています。
一瞬に命を込めて生きること学びます。
今のその場所「武相荘」には、高貴な精神が宿っているのでしょうね。
娘がいる八王子が、そういった場所なんですよ。
同じところを歩いても微妙に感じることが違って、そのことを語りあえるのは嬉しいことですね。
海外で長く生活して方々が日本の文化を大切にするということ、それをご自分たちの生活にうまくとり入れて暮らされたところに、この武相荘の魅力があるのでしょうか。
本、読んだら感想を聞かせて!
お嬢さまはその後お元気でおすごしなのですね。
八王子がお嬢さまにとって高貴な精神を感じ取れる場所でご安心ですね。
白洲ご夫妻は崇高で博識で見学していてもどんどん遠い人であると感じるようになります。おまけに美男美女、こういう方が鶴川に住んでいらしたのですからね・・・鶴川もすてたものではありません。(鶴川のかたに失礼ですね)
昔は雑木林の中だったとおもいますが、現在は新興住宅地の中になっています。
白洲正子さんの本は、大昔、高校に入学した頃、祖父の本棚で見つけ、訳がわからないままに惹かれて、その後何度も読み返しました。・・彼女の本を手本として、彼女によって多くの日本の古典に触れさせてもらい、特にイタリアに来てからは何度読み返したでしょう。
この武相荘にはいつか行きたいと思いながら果たせないでいるのですが、ただ、私は、天邪鬼なところがあって、その人自身がもういない家というのは、単なる抜け殻。と思うところもあり、XX生誕の家とかいうものは殆ど入った事がないんですけれど・・。困ったものです。
だから・・熱狂的に憧れている人がいても、誰の追っかけにもなれないんですよね。
>だいたい蔵書の前で写真を撮っている作家や大学教授や評論家、いつも恥ずかしくないのかな
こういう感覚がとても好きです。
こんな古い記事まで見ていただいて、申し訳ないやら、恥ずかしいやら・・・。
白洲正子さんはお元気な頃によくクロワッサンに出ていらっしゃいましたね。
わたしはとりわけ興味がなかったのですが、たまたま「風の男、白洲次郎」を書かれた青柳恵介さんが同学年でしかも美術部で一時ご一緒していたことで、興味をもったので、良く知っているわけではないのです。
抜け殻を尋ねても・・・ほんとうにそうですね。大笑いです。
もう大量なおば様方がお訪ねになっています。(はい、その一人)
ただ、武蔵野の雑木林の中の簡素な建物での粋な暮らしの跡は消えてしまうより、残っていた方がよいかもしれません。見学料で維持していくのもやり方だと思います。
まんがいち、お気持ちがかわり、ご覧になりたいお気持ちがありましたら、ご案内させていただきますので、お声をおかけくださいませ。
まだお知り合いになったばかりのihokoさんに、なれなれしくこんなこと申しあげるのも、文章から伝わってくるお人柄に安心しきってしまっているからです(笑)
つづく
旅行先としてのイタリアは食べ物もおいしいし、海は青いし、楽しいと思います。イタリアにお住まいの方のブログから、日本人が見る陽の部分だけではなく陰の部分をずいぶんお知らせいただいています。
皆様の声は、マスコミによるニュースよりも泥臭くリアルなものです。
そういう意味でブログからは感性だけでなく、直近の情報まで入手させていただいています。
わたしは旅をするときに異文化を感じることが一番楽しみなのです。そういう意味で
イタリアの歴史遺産に触れることは興味深いですし、公園を歩く人々の姿も異文化です。
これから、ihokoさんの感性を通したイタリアも味あわせていただきます。