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2017年 ソウル ドラマのように⑧ 登場人物4番 チソンちゃん


韓国を訪れるたびに漢江をいつも横目で見ながら、金浦空国からソウルに入ることが多かった。

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オンニーは一度漢江の河畔に行ってみたいという私の希望をかなえるべく段取りをしてくれていた。

夕暮れ前にオンニーの下のお嬢様チソンちゃん(仮名)と漢江で待ち合わせ。

現れたのはまあなんと可愛らしい、いや美し女性でした。

アメリカの大学でまなび、韓国大手自動車会社に勤務されているときに日本のT自動車に引き抜かれ、高待遇を受けている様子。

カチッとしたジャケットにスリムな柄のパンツ、足元はよろけそうな高いヒール、、その上カンナムにご自分のマンションを所有している。

これぞ韓流ドラマに出てくるいわゆるスタイリッシュな女性そのものだ。

もちろん仕事はばりばり出来そうなことは、私たちを案内してくれる所作の素早さを見ればわかるが、その他の時はおっとりとしていて、おかあさんに対してもまことに優しい。

「オンマ、ケンチャナ?」(お母さん、大丈夫?)とたびたび、それもなんとも可愛らしく声をかける。

反省反省・・・私も母を大事にしているつもりだが、こんな風に優しくないし、時には「危ない!」と声を荒げてしまう。チソンちゃんをみならわなくてわね。

ソウルの街は漢江という大きな川があったために、昔から物流や人の流入があって栄えたと聞いている。

その漢江を間近に見たい、その流れの感覚を味わってみたいというわたしの願いがかなった。

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その後チソンちゃんはT社の日本車でカンナムをひとまわりしてくれた。

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何度もソウルに来ていても、初カンナムだ。

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その日は朝4時に起きて、羽田に向かい、金浦から新羅ホテル、明洞を歩いてたせいか頭が動かなくなって拙いハングルでさえ言葉に詰まってきた。

アメリカ滞在中に日本人教授から教わった流暢なチソンちゃんの日本語が私たちの会話をサポートしてくれたのは大いに助かった。

年金の話、ふだんの生活の話など、車の中での会話もふくらんだ。

韓国は家族の間の関係が密と聞いていたが、全州の実家から離れてソウルにひとりで住むチソンちゃんとオンニーも毎日電話をしておしゃべりをするという。

「毎日!忙しいのに大変じゃない?」とチソンちゃんに聞くと

「オンマーと話して元気が出る」と。

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うーん、なるほど、ドラマでは息子もよくお母さんに電話しているわよね。

ということは、韓国では母親は子供たちとよく話しているので、「おれおれ詐欺」ってないのかしらね?

聞いてみればよかった!



by shinn-lily | 2017-05-23 16:46 | ソウル | Trackback

2017年 ソウル ドラマのように ⑦明洞は私がご案内します


これまでソウルの滞在の宿はたいてい明洞近く
どうやらこのあたりの地の利はオンニーより私のほうが詳しそう。
「明洞はおまかせください。私がご案内します」
韓国人でもここに来るのは若い人ばかり、あとは観光客ばかりだから私たち年代の地元人はみかけない。

まず市庁舎前の広場から地下の商店街に入る。
ブランドコピーを売るお店が多く、のぞきながら歩く。
毎回来るたびにコピー製品の旬が変わる。
ある時はエルメスであったり、ある時はシャネルであったり、トリバーチのこともあった。
3年前はゴヤール全盛であったが、今回はマークジェコブスの生地のバッグが新入りで多くの店で取り扱っていた。
お土産用にストールを買うために毎回おなじみのお店に立ち寄る。
気に入った柄を色違いで母、妹、娘、それに自分用にに購入。
よくよく見ればゴヤール柄、あまりに本物と違うので気が付かなかったわ。
ゴヤールのバッグは見ることはあっても、ストールは見たことがないもの。

値段交渉の時はなかなか譲らなく厳しい店員の女性も、交渉が終わればがらりと変わる。
私のお金のしまい方が危険だと注意する。
お財布にお金を見えるようにいれてはいけないと・・・オンニーと二人で別のところにしまえと言う。
たいした額をもっているわけではないだけど、きっと甘いのね。
仰せの通り、見えないところにしまったわ。用心、用心!



さあ、明洞!
週末でもないのに相変わらず人が多い


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ところがいならぶ化粧品の店舗は閑散としている。
前回は中国人で店の中がごった返して、その上レジには長い列で順番待ちだった。
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サットの配備の件で中国が韓流ドラマの放映やKポップの公演を中止にしていると聞いている。
関係が冷え込んでいるせいだろうか、大量買いの中国人はみかけない。
日本人も少ない。
政治情勢が微妙に影響しているようだ。
せいぜいにぎわっているのは道の真ん中に陣取っている食べ物の屋台だけだ。



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それでも、この明洞の中心道路を通ると、ソウルにまた来たと実感する。
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明洞聖堂を横に見て、小路の曲がり角にある店でポガジャ(胡桃饅頭)をお土産に買うのも恒例のこと。


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箱詰めをしている間に熱々の焼きたてをひとつご馳走になる。
餡子と胡桃の味が甘く口の中に広がった。



by shinn-lily | 2017-05-21 00:58 | ソウル | Trackback

2017年 ソウル ドラマのように⑥「全羅毎日新聞」7周年のお祝い


オンニー朴芝蓮氏は詩人です。
オンニーとソウルを旅したその日は「全羅毎日新聞」創刊7周年のお祝いの日にあたりました。
前もって依頼を受けていたお祝いの詩が、その日に掲載されるはずです。
ホテルのラウンジ横にあるパソコンコーナーに二人で陣取って、検索しました。
わー、素敵
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韓国ではお祝いに詩を贈るというのをよく聞きます。
この季節らしいつつじの絵と詩は創刊記念を華やかに祝います。

詩のひとことも理解できないのがなんとも残念。
清々しい朝、新聞で始まる今日という日に期待をしているその気持ちを綴られたのではと、雰囲気だけは味合わせていただきました。

帰国後、実際の新聞を送ってくださいました。
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いつか全州郊外にあるオンニーの詩碑を見に行きたいと願っています。





by shinn-lily | 2017-05-17 23:12 | ソウル | Trackback

2017年 ソウル ドラマのように⑤ 雨にけむる世宗大路

世宗大路には韓国人の想いがつまっている。

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奥からソウルを見守る北岳山(ブガッサン)

わずかに見える青い屋根が大統領府 青瓦台

李王朝の宮殿景福宮(キョンボクウ)は2010年に復元された光化門(クヮンファムン)の陰で見えないが
ここでもかずかずのに韓国と日本の歴史がある。

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その手前に
ハングル文字を創生した李氏朝鮮王 第四代世宗王の銅像が威風堂々と鎮座している。

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世宗大王の像を見て思うことは2つある。
「あの時(1446年)にハングル文字を発表しなかったならば、韓国はまだ漢字の世界であっただろうか。後の教育の中で漢字をもう少し多く残すことはできなかったのだろうか」
「もし漢字の世界が続いていたならば、私たち日本人は中国を訪ねた時のように、意味はわかるけれど発音は覚えにくかったにちがいない。
世界一多くの音を表現できるというハングル文字のおかげで、わずかながら、聞いて理解し、話すことができる。
最初は記号としか見えなかったこの文字に今恩恵をうけているのだ」


さらに
加藤清正率いる日本軍と戦い韓国の英雄とあがめられている李舜臣(イスンシン)の銅像がひときわ高くそびえたつ。

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金薫(キムフン)が李舜臣を主人公として書いた小説「孤将」は蓮池薫氏の翻訳も素晴らしく読み応えがあった。
そこには大将とし軍を率いながら、一方では一個の人間として孤独の中で悩みながら生きている姿が書かれていた。
また、両国の多くの人々が命を失った戦場である海の描写があまりに美しかったことが妙に印象に残っている。

路の入り口、一番手前には
2014年、セウォル号の転覆事故で亡くなったの高校生300人を悼む祭壇がテントの中にある。

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祭壇には亡くなった高校生の写真が並んでいる。
若々しいその顔を見ると、悔しくて涙がこぼれそうになる。
3年前、友人とソウルを訪れたのは事故の2か月後であった。
私たちも当時ソウル市庁舎前にうまった黄色いリボンにご冥福をたくさせていただいた。
たくさんの黄色いリボンへの想いは消えることなくここに追悼されていた。

しかしそれだけではない
実は、今は見ることのない朝鮮総督府が光化門のある場所に建てられていたのだ。
朝鮮総督府は1910年から太平洋戦争の終る1945年まで、日本が韓国を統治していた時の官庁である。
のにち図書館などに利用されたが、1995年金泳三大統領によって爆破され、その姿を消した。

数々の歴史、韓国と日本の歴史と想いがつまったこの道をオンニーと私は手をとりあって、未来へと歩いた。

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by shinn-lily | 2017-05-04 01:03 | ソウル | Trackback

2017年 ソウル ドラマのように④ 登場人物3番ヤクチング(薬友達)

ソウルは雨模様、それでも雨なんかに負けてはいられません。

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オンニーと傘をさして地下鉄を乗り換え、地上にあがります。
「昔、大学に通っていた頃は毎日のように来ていたのだけど、ビルがたくさん建ってわからなくなってしまったわ」
とオンニー
銀行の前に立つ若い青年に道を尋ねます。
それでもわからないので、友達に電話をしています。
そしてその電話を青年にわたして、現在地やら道を友達から聞いてもらっています。
人と人の距離が近い!
韓国に来たときはいつもそう思いますが、この青年も気軽に電話に出てくれて、そして教えてくれました。
たどりついた場所はここ、老舗の薬局です。

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「アンニョンハセヨ~」
私たちがこれから「ヤクチング」という共通相性で呼ぶ、とびきり美しく、きりっとした白衣の女性がいらっしゃいました。
聞けば、幼稚園から大学までずーっと一緒だったチング(友達)とか。
薬の山をかきわけて、私たちは座り込みます。
お嬢様は日本の大学で「都市工学」の教授をなさっているそうです。
ですから日本人のわたしにも親しみを持ってくれたようです。
ひとしきりおしゃべりをして、といってもわたしは横で少しわかったような、いえほとんどわからないのですが。
帰り際にヤクチングが夕食に誘ってくださいました。
「じゃああとで」と外に出たのはよいのですが、
結局、私たちの都合ですっぽかしてしまいました。
心配する私をよそに、オンニーは
「大丈夫、大丈夫、ずーっと友達だったから」と。
そうかな~、日本の友達関係だったらしこりになりそう・・・
オンニー、ヤクチングにちゃんとお詫びを伝えてくれましたか?

その老舗薬局は明洞の近くなので、いつかまたお尋ねしたいなと思っています。

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オンニーのお友達だけあって、ものすごく素敵な方なのでぜひ、またお会いしたいのです。

薬局を出るとこんな路地を通り抜け、私たちは手をとりあい

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東大門から続く清渓川の散歩道に出ました。

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by shinn-lily | 2017-04-30 11:05 | ソウル | Trackback

2017年 ソウル ドラマのように③登場人物2番 文在寅候補 & 安哲秀候補

今、ソウルの街の話題は北朝鮮問題ではなく大統領選挙です。

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オンニーとタクシーの運転手は20分あまりの乗車時間にずーっと大統領は誰が良いか激論
運転手のアジョシはまさしく韓国独得の口角泡をとばすという表現がぴったり
横から見ると、本当につばが飛んでいました^^

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選挙戦は、日本でも報道しているように、
進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補と中道系「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補の2強に絞られてきたようです。
韓国人が政治の話題好きとは聞いていました。
目下のところ、どちらに投票するかが大問題のようです。
国民がそれってあれだけのデモをしたわけですから、当然です。

韓国は直接国民投票により大統領を選ぶので、意識も日本より高いことはうなずけます。
そして、今、国民の共通の想いは失脚した前大統領朴槿恵(パク・クネ)氏に対する深い失望です。
主のいない大統領官邸 青瓦台は今もしっかりガードされています。

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ところでこんな選挙カーを街で何度かみかけました。
この車は保守系「正しい政党」の劉承ミン(ユ・スンミン)候補の選挙カーですね。
人の気配のないディスプレーだけの各候補の車が国を中廻るようです。
静かではあるのですがこれではテレビと同じでは?
はたして選挙カーの効果はあるのでしょうか?

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二強と言われる2人のうち、どちらが選ばれるとしても、反日色の強い候補です。
それでも5月9日には複雑な様相を呈してきた朝鮮半島の未来のために、真実を曲げず、公平で真摯な政治を行う大統領が選ばれることを祈っています。
by shinn-lily | 2017-04-27 16:02 | ソウル | Trackback

2017年 ソウル ドラマのように② チェックインは23階で

「お荷物はお部屋にお届けしておきます」
チェックインは23階のエグゼクティブラウンジでどうぞ」

今回の宿泊は「新羅ホテル」
何度かソウルに行っていますが、交通の便が少し悪いこのホテルは未体験です。
オンニーが一緒なので、少し贅沢をしました。

23階に着くと、すでに連絡が届いていました。
「キングサイズのダブルベッドのお部屋をご用意しております」
「それはだめです、ツインをお願いしてあるはずですが」
韓国のドラマではよく友達同士で一緒のベッドに寝るのをみますが・・・

「パスポートをお願いします」
わたしはもちろん外国人ですが提出しますが、オンニーは
「わたしは韓国人ですから」
「韓国人と日本人がご一緒なのですね」と。
思わず
「はい、私たち姉妹です」「オンニーです」
と答えました。
国を超えたこのご縁は私たちの誇りなのです。
スタッフも笑顔でうなずいてくれました。


お部屋はそれほど広くありませんが、

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設備は充実しています。

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まずはお土産交換?
おねだりしていた10年もののコチジャン・・・前回お会いしたときいただいて、その味が忘れられません。
有機栽培のえごま油、留守番の母にも伝統的な美しいパッチワークのコースターや、テーブルセンター
えごまの葉のつけものはさすが地元の方が選んでくださっただけあって、「美味しい!」と母も大喜びでした。
しつこくなくて風味がありました。
テーブルの上がいっぱいです。
有難うございます♪

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私、お土産になにをさしあげたら良いかずいぶん迷いました。
納豆がお好きと聞いていたので、いつものお気に入りの納豆を10パック、
空気の触れないお醤油
資生堂マキアージュのチーク
フェィラーのプチタオルと手提げバッグ・・・ドイツのものですけど、オンニーに使っていただきたくて
それに旅行用にエコバッグ
オンニーは体のために甘いものは召し上がらないのでお菓子はなし、
これからお会いするであろう方々にだけ、ヨックモックのシガールを用意しました。

このホテルはロビーのお花が日ごとに変わります。

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スタッフが多く、少し戸惑っているとすぐに声をかけてくれます。

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心地良く、贅沢な空間は、まずスタッフの質の高さがポイントです。

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もちろん、美男、美女、
このホテルを選んだのは正解だと確信しました。
by shinn-lily | 2017-04-25 17:41 | ソウル | Trackback

2017年 ソウル ドラマのように① 登場人物1番オンニー


「私たち、ドラマの登場人物のように会いましょう」

その方はソウル金浦空港の税関出口の待合場所の先頭で待っていてくれました。
私たちは思わずかけより、手をとりあいました。
全州から3時間半もかけてきてくださいました。

2014年全州、韓日交流センターで偶然のようにお会いして
翌年、もう一度お会いして
今度で3度目なのに、いまや昔からの友達のようで、いえそれ以上お姉さんのようす。
オンニー(お姉さん)と呼ぶのが嬉しくて、
偶然の出会いは実は必然の出会いではと思うようになりました。

オンニーは詩人です。
詩集が出版されているだけではなく、全州郊外に詩碑があります。
若い頃はKBS(韓国公共放送)のドラマ作家でもありました。
その後、故郷にもどり教師をなさっていました。
感情の表現が幅広く、
年上なのにときには可愛らしく
気持ちがまっすぐで、暖かいのです。


日記交換のようにしばしばメール交換をしているので、久しぶりという感じがしません。
タクシーでホテルに向かいます。
こうして、私たちのソウルの旅がドラマのように始まりました。

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ところで、韓国にミサイルが飛んでるく心配はないとみなさんがおっしゃいました。
心配していると言うと、そのたびに私はみんなに笑われました。
同胞だから大丈夫・・・ということはアメリカと日本が標的?
はたして真相は?
情報が隠ぺいされていることはないのでしょうか?
なにが本当なのか、ここ数日が注目です。
なにも起きなければよいのですが。
by shinn-lily | 2017-04-23 22:32 | ソウル | Trackback

アリラン峠の旅人たち


旅芸人、行商人、キーセン、巫女、白丁、鎮魂にたずさわる人々の末裔
細々とその技を残し、今も世の中の片隅に生きる人々を取材した雑誌「根の深い木」に連載された記事36編のうちから
相補版は13篇(内、3篇は続編から),

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続編は11編,合計21編が掲載されている。

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すなわち21の職種が紹介されているのだが、その多くは被差別の民であり、または大きな収入を得られるわけではない人々である。
そうした底辺の人々が朝鮮の文化を支えてきた。
私は、その誇りに接したくてこの本を手にとり、さらに続編まで手にいれることになった。

韓流ドラマの時代物の中でみる旅芸人、例えば人形芝居や綱渡りのシーンの背景にどのような生活は血のにじむ訓練があったか語られている。
その多くは生きていくためにその道に入る。

またキムチ甕つくり、鎮魂、巫女、白丁はその家に生まれ、そのまま生業とする。
世間から蔑まされたその生活の中に人々の強い姿を見る。
また一時は時代の流れからたくさんのお金を得ても、やがて近代化の波にのれず、置き去りにされる職人も多い。
近代化の波に乗らないことを誇りに思いながらも生活は苦しくなっていく。
いつの時代も安寧に生きることは、たやすいことではない。

紙漉きについての記事の中に私が愛する「全州」が紹介されていた。

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訪問したときから韓紙が有名と聞いていたので何枚かインテリア用、あるいはポチ袋を購入してきた。

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韓日交流センターにmeiさんには紙で作ったオレンジとブラックのハンカチームもいただいた。

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韓紙つくりの伝統が全州にあったのは、まわりの山で良いこうぞが採れたことと
全州川の清らかさにあったという。
川の流れを思い出しながら、ハンカチの手触りを楽しむ。

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紙とは思えない良い手触りである。

この本は1994年が初版であるから、技術伝承してきた年老いた人々が今どれほど残っているかしれない。
それでも無形の文化財は語り継がれ、民衆の心へ、
あるいは、民衆の音楽として今も演奏され
形のあるものは、残され、私たちがそのものが放つ感触に接することができる。
こうして生きてきた人々の誇りに国を超えて敬意を表したい。


増補 アリラン峠の旅人達 朝鮮民衆の世界  
   続アリラン峠の旅人達 朝鮮職人の世界

安宇植編訳 平凡社
by shinn-lily | 2017-03-11 16:29 | | Trackback

株式会社クオンとCHEKCCORI(チェッコリ)


書店をまわってみて外国文学というジャンルで韓国の翻訳本を見つけるのはまれなことです。
距離的にこれほど近い国なのに、またまた遠い国だと実感してしまう瞬間です。韓国を何度も訪れているうちに、絵空事のドラマではなく、小説も読みたいと思う様になるのです。
スペインに行ったらドン・キホーテが読みたくなるように。
もちろんハングルでは読めませんから、翻訳本を探しているときに「株式会社クオン」という会社と出会いました。
この会社が出版している「新しい韓国の文学シリーズ」は実に良心的な仕事だと思います。

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興味深い本の選択、センスの良い表紙、残念なのは価格が高いこと、限られた読者が対象ですからしょうがないですね。ぼちぼちと読んでいます。
このシリーズの第1回配本はイサン文学賞(日本でいえば芥川賞か?)を受賞したハンガンが書いた「菜食主義者」です。
「まあなんと理解しがたい小説だこと」と違和感も持ちながらも、心にずしりと残っていたこの本が今年「ブッカー国際賞」を受賞しました。

また「韓国・朝鮮の知を読む」と言う本はわたしの韓国への興味を、その時その時に満たしてくれるものです。たいくつするとときおり取り出してはぱらぱらとめくります。

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本の紹介文より
「日本と韓国の知識人 140名が集い、日本語圏の読者に向けて韓国の〈知〉についての書物を語る本となっている。各執筆者がそれぞれ 1冊から 5冊ほどの、韓国の〈知〉に関わる書物を推薦し、それをめぐって 2000字ほどを執筆するというものである」。

そこで知る本や作家が、韓国への一歩、また一歩の道を開いていきます。
日本と韓国の文化を支えている知識人の魂が集まった本で、細い糸ではありながら、実はしっかりと両国は結ばれていると感じました。

クオンがと関連するCHEKCCORI というブックカフェが神保町の小さなビルの3階にあります。

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ここにはクオンの本はもちろんのこと韓国の本もあり、お茶をいただきながらゆっくりと本を選ぶことができます。
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韓国に行ったときも書店には寄るのですが、ハングル文字を読むのが困難なのでどこから手をつけて良いかわかりません。


スタッフのアドバイスを受けながら一冊の本を選びました。

書名が読めたから

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たくさん入っているイラストが気に入ったから

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書名は

그러니까 웃어요  だから笑って

この本を見ながら、なぜか良い知らせが2件続きました。
両方とも、心配していたお体具合が良好というお知らせでした。


だから」の訳はこの本を読めばわかるのでしょうか?
とてもこの本が読めるようになるとは思えませんが、やっぱり・・・ああ、読みたい!
by shinn-lily | 2016-09-03 23:28 | 韓国を考える | Trackback