2017年 06月 18日 ( 1 )

親愛なるミスタ崔 隣の国の友への手紙 佐野洋子


絵本作家佐野洋子さんと韓国の哲学者崔禎鎬(チョンホンジ)氏のお二人がまだ若い時、まだ有名ではない時に留学先ドイツで知り合あいました。

その後それぞれの道で名をなし、それぞれの国で生きてきて

その間40年にわたってかわされた書簡集が出版社クオンから出版されました。

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あっという間に読んでしまって、たくさんの佐野洋子さんへたくさんの嫉妬心をかかえることになりました。

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まずその感性!

「親愛なるミスタ崔

韓国と中国と日本の巨大な頭脳が集まって地球の行く末を考え立派なえらいシンポジウムがおこなわれている歴史的な日を平凡なおばさんはキャベツをいためて食べながら、ああ民主主義とは大変なことだなあ、昔のように士農工商と身分がはっきり差別されていたら、私は百姓の娘、わが心の苦しみなどで気狂いなどにならずにすんだものを、牛や馬の一生と何も変わらぬ過酷な一生をそんなもんだと思って墓の中まで行ったものを。抜粋」1997年

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当初、崔禎鎬氏は佐野洋子さんからもらう手紙がひとりで読むにはもったいないほどで何人かの友人に読んでもらったそうです。

友人たちもその面白さを同じように感じたので、その後いくつかの手紙を雑誌に掲載したそうです。40年前の手紙から、いまだに褪せない感性があふれ出ています。

言葉は重かったと記してあるが、その気持ちをあまりにも素直に表現する術と心にもうらやましく感じました。

すなおに自分の気持ちを書こうと思っていても、案外意識もなく、その気持ちを自分のフィルターにかけていることにきづいた。

それに自分の気持ちを素直に伝えるこことのできる異性の友をもっていたことがラッキーです。お互いに高い感性のレベルで心を伝えあう、なんと素敵なことでしょう


巻頭には崔禎鎬(チョンホンジ)氏にあてた谷川俊太郎氏の詩が添えてります。

谷川俊太郎氏はかつて佐野洋子さんの夫であり、その後離婚しました。谷川俊太郎氏が韓国の文学界と交流をしている背景には、当時、妻と一緒に崔禎鎬(チョンホンジ)氏と交流していたことも背景にあるのではないかと気づきました。

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嫉妬しながら読んでいるうちに、私自身の心が解放されていきました。

時々ページをくくりながら、読み直したりしています。


by shinn-lily | 2017-06-18 16:45 | | Trackback | Comments(5)