大手町界隈で晩秋を感じる

中学生の頃、東京オリンピックを期に東京がどんどん変わっていった。
昔絵本で見たアメリカのような高速道路が東京を覆い、街の花壇に花が植えられ、高いビルがどんどん建設された。
嬉しかった。
これからいいことが起きるような昂揚感があった。

今、東京を歩く。
街は美しくなったが、なにか忘れ物をしたようで、不安になる。
東京がどんな街になって欲しかったのかわからないまま、
一方で郷愁にひたることも怖れているのだ。


晩秋の和田蔵門噴水公園の噴水は太陽を失ってもその役割を忘れない。

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さやかに残る秋のかけらを背景に白壁はいつも落ち着いている。

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橋はビジネス街へと人々を運ぶ。
いやビジネス街から人々を導いている。

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夕暮れが早い。
パレスサイドホテルのラウンジあたりの光が堀に落ちる。

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振り返れば、予期せぬ友が欄干の上でこちらを見ていた。

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近くて遠い二羽の鳥

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優雅に餌を求め水面をすべる1羽の白鳥

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都会で生きているのは人間だけではないと気づく。


行幸通りを歩けば、つきあたりは東京駅だ
変わらぬ姿に心がなごむ。

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いかにも都会風の並木道を抜け

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ビルの中に入れば、クリスマスデコレーションが我々を迎える。
くるみ割り人形の兵隊たちは、なぜか悲しげな顔をしていてきになる。

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窓の外と中の空気の地かいを感じる。

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お茶でもしましょうか?ねえ、サンタさん!

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ところでサンタのおじいさん、おいくつ?
60代かしら?それではおじいさんと呼ぶのはちょっとねぇ~
80代では子供達にプレゼントを配る体力はないわね。
では70代?
サンタのおじいさんはなにも答えずニコニコとしている。
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私もサンタさんの年齢に近づいてきたから、ちょっと気になったのよ。

ビルを出る。
ふと目に留まった苗木に看板がついていた。
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無機質なタイルで覆われたビルの、前に桜が大木となって咲き誇る姿を描いてみた。

東京のこの地を大切に思い、心を砕いている人がここにもいた。
by shinn-lily | 2016-12-14 23:21 | | Trackback

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