青年よ、大志をいだけ!

採用面接に駆り出されることがある。
みんなすなおで人柄がよさそうで、好青年ぞろいだ。
いわゆる偏差値の高い大学に在学しているのだから、そこそこに頭のきれも良い。
聞いた質問にきちんと答えをかえしてくれる。
学生の自己アピール欄には、みんな一様にサークル活動、あるいは勉強会などでみんなの引っ張り役をやって、グループをまとめたと述べてある。
模範解答だ。
しかし、正直に言えば、仲良しグループのまとめ役は、たいして評価できない。
みんなと仲良くやることより、何か尖った個性が欲しい。
自分は自分だと開き直る強さが欲しい。

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ひとしきりやりとりをした後で
「ご縁があって入社していただいたら、どんな風に働きたいのですか」
少しあいまいな難しい質問である
「仕事を覚えて会社に役に立つ人間になりたい。」
ふむふむ
「お客様に喜んでいただけるようになりたい」
顧客志向を心得ているのね。

でもちょっと待って
たぶん、大学の就職指導で教えられているとおりに答えているのだろが、こんなつまらないことを答えるように教そわったの?
企業は良い人材を集めることに生き残りがかかっているから、採用というフィルターはどんどん厳しくなっている。
売り手市場と言われる今年の就職戦線ゆえ、たいていは内定を持ちながらまだより自分にあった仕事を探しているという学生が多い。
しかしあちらこちらの企業のフィルターでふるいおとされた学生の気持ちは自己否定されたかのように小さくなってゆく。
そして優等生的な答えしかできなくなってしまうのかもしれない。
型にはまった採用形態に問題もありそうだ。


「給料をいっぱいもらえるように売上をあげたい」
「トップセールスマンになりたい」
「役職について部下をもちたい」
こんな希望はもはや時代遅れなのか?

「お金を貯めて、会社をやめて世界旅行をしたい」
とはさすがにこたえられないだろうが、もう少し人生に勢いを持って欲しいと欲がでる。
働くのは会社のためでも、お客様のためでもない。
個人が自立して生きていくための手段である。
いっそストレートに
「お金をもらうために、一生懸命働きます」と言ってくれたらほっとする。
その仕事にやがて「やりがい」などというおまけがついてくれば、なかなか得難い良い人生になるかもしれない。

ふりかえれば、この年齢の頃の私、将来なんてなにも考えていなかった。
生きていくことは、それほどたいしたこととも思っていなかった。まるでずーっと親の庇護が続くかのように。
それに比べれば、今の若者の方が現実的でしっかりしているともいえる。
採用・不採用はタイミングや相性もあるし、当社の仕事が好きになれるのか、むいているかどうかが重要なポイントだ。
もし向いていないのに採用すれば、企業にとっても損失であるばかりか本人にとって不幸である。
だからたとえ不採用となっても、落ち込むことはない。きっとそれぞれにあう仕事があるはずだ。

なにはともあれ
面接の終わった学生を見送りながら、どこの会社に入社しようとも、大志を抱き、前に進んで欲しいと背中にエールを送っている。

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未来を自分の力で掴み取って欲しいから。
by shinn-lily | 2016-08-03 23:06 | 大切な時 | Trackback

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