誰も褒めてくれない
2016年 07月 25日
東レ・パナソニック・ホンダ・BMW東京・ダイエー・日産自動車を経て
そして今、横浜市の市長である林文子氏の講演を聴く機会を得た。
その方は女性らしいピンク色のスーツにパールのネックレスで登場された
足元はぺっちゃんこの靴、小柄なのにその気迫と鋭さは、全体に現れている。
お客様のために買い物をしたという逸話も含めて、ホンダやBMWでの活躍はもはや有名である。
この日はどうやって働かない営業マンがやる気をおこして売上を上げるように導いたかの話しに熱がこもった。
営業にも出ないでだらだらしている部下に声をかけたら、受注を他社に持っていかれたと言う。
「ああ、そうだろうな」と心の中では思いながら林氏は次のように言い放った。
「まあ、あなたそんなに頑張ったのに、残念だったわね。今度は一緒にやってみましょう。
あなたのことだからきっとうまくいくわ」と声をかける。
目にあまる怠惰な人にこのように声をかけたところが林氏の頭の良さだろう。
褒めて、褒めて、褒めまくるうちに、人が動いてくる、やる気を出してくるという実体験を語った。
ところが、市長になったら攻撃されるばかりで誰も褒めてくれない。
県知事より選挙民と近い場所にいるから攻撃はしやすいし、告訴まで受けるという。
人はトップに対して褒めずに批判対象とする。少しでも良くしようと一緒にサポートしてくれればよいのに。ニュースキャスターなんて1億の年収をもらうのに、こちら○○円ではやっていられないわ、税金にごっそりと持っていかれるし・・・党派の対立なんてしていられない、市民のために力をあわせなければ・・・。
本当は褒めて欲しいなどと感傷的な想いなど持っている間もないはすだ。単なる言葉の綾だろう。
いろいろな想いが渦巻き、ただ、前へ前へと林氏はすすむ。
市長になって一番エネルギーを使ったのが役所の体質、なにしろ側近以外の職員と会話すらできなかったという。それじゃ褒めることさえできないのだ。
議会の質問に400問近く答え、待機児童、災害対策、経済対策、インフラ、自分のまわりの360度の仕事をかかえ、24時間仕事ですと。
でも最後におっしゃいました。
私、今年70歳です。でも頑張ります!
林文子さん、巷では「すごいね、がんばっているね、東京都知事にしたいわね」という声も聴きます。
褒めている声が届きませんか~? ね、 聞こえましたか?