2014年6月 ソウル⑥  旅を終えて考えたこと

嫌韓論を記した本が店頭にたくさん並びます。
韓国に興味のある私は、読んでみたい衝動にかられますが、他人の目ではなく自分の目で実際の韓国から感じ取れる空気とつきあいたいと考えて、この手の本は手にしないことにしていました。
そのような意味では数冊読んだ民俗学的な韓国関連の本の中でも英国人イザベラバードの「朝鮮紀行」は感情を抜きに淡々と記され、それでいてそこに住む人への敬意は忘れていない一番しっくりくる良い本でした。
その本によって、李王朝末期の混沌とした朝鮮社会を知ることができました。
実際、ソウル市庁舎のすぐわきにある徳寿宮を見学すると、当時まわりの大国に翻弄された弱体の李王朝が伺われます。

景福宮にいられなくなった第26代朝鮮国王高宗は閔妃が暗殺されロシア公館に避難し、退位するまで、この徳寿宮に住んだことから、李王朝末期の歴史の舞台となりました。
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各国の思惑と、まわりに頼ろうとする皇帝の様子が「朝鮮紀行」にはよく書かれています。
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子供たちはここでどのような歴史を学んでいるのでしょうか?
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今回のたった2泊の旅でしたが、実際に韓国に触れ、優しい人や素敵な人に出会い、また少しだけ身をちいさくしたこともありました。
その体験をもとに「呆韓論」を読みました。
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この本は韓国人歯科医シンンシアリー(仮名)が本当の韓国の姿を綴った本です。
この方のブログでもその一端は伺われます。
真実を語り、未来の韓国の姿を描こうとしているわけで、決して韓国の恥部をさらすために書いた本ではないと私は考えます。
それでも、なんでも悪い事を人のせいにするのはもうやめようではないか、自国の揺らぎを日本のせいだと言うのをやめようじゃないかと訴えます。

私は1年前から、NHKハングル講座で朝鮮語を勉強しています。
いえ、そんなに根をつめてやったわけではなく、毎週録画して見ていました程度です。
語学の勉強はスポーツみたいなもので、訓練すればそれなりの成果があがります。
今回はわずかな訓練の成果を確かめてみたいとい気持ちがありました。
ソウルの町中のお店では、ほとんど日本を話す人がいますから、なかなか腕試しの場面もありません。
地下鉄の券売機も日本語表示がありますから、助かります。
それでもソウル中心をはずれるとやはり朝鮮語が少し使えると楽です。
それぞれ単独で海外旅行をする旅なれた同行の友人は、英語と度胸でコミュニケーションには困らないのですが、わたの胸中を察し、現地の方々とのコミュニケーションは全て私にまかせてくれました。
もちろん所詮トラベル会話の域は脱することはできませんでした。


考えてみれば朝鮮語はほぼ朝鮮半島でしか使えません。
それだったらその時間に世界共通語の英語を勉強したらよいという気持ちもよぎります。
実際に迷いました。
でも不思議なのです。昨今の韓国の反日政策には腹がたつばかりなのですが、韓国はなんだか「めんどくさいわがままな親戚」みたいな感覚なのです。
親戚だから簡単に切り離せないのです。
それだったら、学び続ければよい、韓国関連の本を読めばよい、仲が悪い時だからこそ、こつこつとその国を知ればよいという結論に達しました。
どちらにしても言葉の違いは国と国のひとつの壁ですから、その壁は低い方が良いでしょう。

又、韓国が外貨獲得に力を入れている芸能部門、日本でも10年前からかなりのブームになった時期もあり、日韓の壁を低くしたようにも思えます
ただ、韓流ドラマは韓国の人々の夢物語でしかありません。歴史ドラマでさえ事実とはかけ離れたことが多い夢物語だと言われています。
こうだったらいいなぁという韓国人の気持ちはよく反映しているし、文化や習慣を垣間見ること、そして朝鮮語に耳を慣らすためには役立ちますが、所詮つくりごとです。
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だからもう少し、深く探ってみたいのです。
今は韓国関連本からみるのが面白い・・・古代史から韓国現代小説など興味はつきません。
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こんな風に文化に接触していって、最終的に自分の中でどんな結論にまとまるか想像もつきません。
本当に遠い国なのか、それとも近い国なのか、それともこの関係に飽き飽きしてしまうか・・・
いや、中国・韓国・日本・アメリカ・ロシアの思惑が朝鮮半島で交錯しそんなことを呑気に語っていられないかもしれません。

私は、当ブログで過去4回ほど韓国の旅を記事にしましたが、
それぞれの最後の記事でいつも未来の日韓関係に期待するという想いを込めていました。
その想いとはうらはらに、今はどんどん遠い国になりつつあります。
いろいろな想いをかかえながら
2014年6月のソウル旅は記念のアルバムを作って終了となりました。
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読んでいただいて、有難うございました。

今回の旅は終わりましたが、わたしの韓国への旅はもう少し続きそうです。
by shinn-lily | 2014-07-20 16:17 | ソウル | Trackback

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