ホロビッツの愛したピアノで


高木 裕氏が経営するタカギクラヴィア主催の江口 玲氏のピアノリサイタルを聴いた。
江口氏はファンの多い演奏者であるだけではなく、今回は高木氏が渾身の力を注ぎ手に入れたニューヨーク・スタインウェイ(ローズウッド)/1887年製による演奏会であるためか、さくらホールの会場は満席であった。
このニューヨーク・スタインウェイはかつて日本のホテルにあり、当時そのホテルに滞在していたホロビッツが大変気に入り、その場でミニコンサートが開かれたという有名な話がある。
その様子は高木氏著書「今のピアノではショパンは弾けない」(日経プレミアシリーズ)に詳しく書かれている。


前半は江口氏による独奏でピアノはニューヨーク・スタインウェイ(CD75)/1912年製である。

ひさしぶりのクラッシックコンサートであった。
いつも第一音はどきどきする。
楽劇「神々の黄昏」第三幕より シークフリートの葬送行進曲(ブゾーニ編曲)
馴染みのない曲であるが音を楽しんだ。
わたしの好きなジャズピアニスト上原ひろみのコンサートではピアノはヤマハである。
彼女はヤマハの所属だからだ。
その音の違いが伝わってきた。
素人の耳であるから、全くの独断的感想なのだが・・・。
スタインウェイは音の押し込みの最後がややひっかかりのあるような、ワインで例えればドライな感じがする。ドライな感じはスタインウェイワールドを形成し、特に激しい部分、高音部で顕著であり、他のスタインウェイの音色に比べてもはっきりと今回のその個性を発揮しているように思えた。
調律の仕方などにもよると聞いたが、そのあたりには全く無知である。
ヤマハはまろやかな甘口なのだと、比べてみて初めて知った。
上原ひろみがこのスタインウェイを使ったら、もっと面白くなりそうである。
彼女の演奏にはドライな方があっているようにも思う。

第二部はいよいよニューヨーク・スタインウェイ(ローズウッド)/1887年製が登場して、新進気鋭、まだ二十歳そこそこの反田恭平氏と2台のピアノの協演である。
ピアノの準備が済むと、この歴史的遺産をカメラに収めようと、大勢の人が舞台前に集まった。
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ラフマニノフの組曲第二番から始まった。
これが凄かった。圧倒された。
30歳ほど年上の江口氏は堂々とピアノに挑む
初々しさの残る反田氏はピアノを恋人のように抱え込み、挑発でもするかのように走り続ける。
時には競いあい、時には寄り添う、ピアノデュオの面白さに酔った。
終演後ロビーで見た反田氏は小柄な青年であったが、舞台の上では大変大きく見えオーラに包まれていた。
この青年の今後の成長を見守ってゆくという楽しみなお土産を手に帰路についた。

ああ、クラシック、やっぱりいいな、なんだかまた癖になりそうである。
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by shinn-lily | 2014-06-21 11:33 | 興味 | Trackback

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