「イザベラ・バードの朝鮮紀行―英国人の見た李朝末期」を読んでみた

韓国についてもう少し考えてみたかったので、この本を手にとった。
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英国の旅行家であるイザベラ・バードは1894年から3年間で4度、朝鮮を訪問し、その記録を綴った著書が「朝鮮紀行」である。

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時は李王朝の末期から日清戦争、そして日韓併合(1910-45年)前の時期である。
60代だったイザベラ・バードが未知のアジアの国を旅すること自体、命がけだったに違いないが、客観的かつ率直に書かれた文章がなによりもこの紀行文の魅力になっている。

                             (旅の一行)
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印象に残った部分を自分の言葉で再現してみる。
まず、朝鮮の社会と民族性について
・朝鮮の国民を分けるとしたら、「盗む人」「盗まれる人」の2つしかない。
・「搾取する人」は役人 「搾取される人」はそれ以外の国民である。
・一生懸命努力してほんのわずかな金でも蓄財したことが知られれば、役人が全てを搾取していく。
・ゆえ、ぎりぎりに暮らしていけるだけの収入を得ればよいので、それ以上働こうとしない。
・ゆえ、生活の向上がみられず、みんな貧しいままである。
・ロシア人統治の地域に入植した人々は、搾取されることがなかったので、一生懸命働き蓄財し、明るい表情であった。
・ゆえ、朝鮮人が本来がなまけ者であるのではなく、政治腐敗に問題がある。
・朝鮮は自国による改革はもはや不可能であり、他国による改革し方法はなかった。

日清戦争後李朝末期の日本のかかわり
・過去の歴史から(豊臣秀吉の遠征の頃か?)朝鮮人はとことん日本人が嫌いであった。
・当時日本は朝鮮を植民地化して統治しようとは考えていない。
・あまりの政治腐敗ぶりに日本の政策を浸透させるのには困難を極めた。
・ゆえ、微に入り、細に入り指示することになり、一層反感をかったが、日本のやり方は悪くはなかった。


生活の状況について
・1894年当時ソウルは世界一汚い都市である。(英国では「ソウルは世界一きれいな都市である」という記述のものと、二種類の「朝鮮紀行」が存在するらしい。)
・1897年に訪れた時はソウルの街は見違えるように清潔になっていた。
・両班と言われる貴族階級は、役人か教師しか職業がなく、ふらふら町ですごす人々が多かった。
・女性は最下層の人が外で働くことがあっても、ほとんどの夫人は家の奥に蟄居させられていて、女性自身はそうされることは大事にされていると感じていた。
・ゆえ、外の世界、ソウルの街さえも見たことがない人が多い。
・当然男尊女卑である。結婚は親が決めた人とし、息子の嫁の手助けを得るまでは朝から夜遅くまで働き、身なりに気をまわすことなどできなかった。
・女性で教育を受けることが出来るのはキーセンのみであった。大事な賓客をもてなすキーセンは客と同じレベルの話題についていけるように、国の運営する養成学校で歌舞などとあわせて教育を受けた。

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風土について
・朝鮮の自然、山、川、草木、花など、美しいと感じ、その記述も多い。
・虎がたくさんいた。人々は恐怖のため、暑くても窓を開けて寝ることはなかった。

遠慮のない好奇の目にさらされ、ゴキブリや虫の多い宿とはいえない場所に寝泊まりし、
ほこりっぽさ、汚れに辟易とし、外国人というだけで阻害されながら旅をした。
にもかかわらず、4度も訪問し、最終的には朝鮮を愛しく思った著者の気持ちを考えると、
多くの利害関係が邪魔をする国と国のつながりはさておき、人と人のつながりというのは案外難しくないのではないかと思った。

あれもこれも、まだたくさん紹介したいと思うのだが、また別の機会にしよう。

読了後、考えた。
①日韓併合後の日本の統治について。
②現在もさらに日本を忌み嫌う韓国について。

李朝最後の王に対して個人的には親愛の情を持ちながら、改革の妨げ、国民の幸せを目指すことができなかった愚かな王であると述べている。
このように情と事実をきっちりと分け、淡々と考察していった著者、イザベラ・バードが
今もし生きていたらこの2点についてどのように記すのであろう。

すでに次に
「日本紀行上・下」が手許にある。
明治のはじめの北海道から関西まで、イザベラ・バードと一緒にまた旅に出でようと思っている。



写真はいずれも「朝鮮紀行」講談社学術文庫からお借りしました。
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by shinn-lily | 2014-02-14 00:47 | 韓国を考える | Trackback

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