お宝さがし

「れい子さんからいただいた備前の花挿しはいくら位するかしら?」と母。
あれは娘さんのことで、お世話になったからと、ずっと大切に持っていたものをくれたのだから、価値があるはず」
「なんで急にそんなことを思い出したの?」
「ほら、うちの誰かが有名になって、『なんでも鑑定団』に出てくれって言われたら、お宝がないから、困ると思って」
「えーっ!!?大丈夫、大丈夫、誰も有名人にはならないし、世の中の片隅でひっそりと暮らしているから」
『なんでも鑑定団』の日曜日午後1時からの再放送は、丁度我が家のお昼時間にあたり、お素麺や焼きそばを食べながら見ている。
ま、実を言えば、私だって、そういうこと頼まれたら、何を出そうくらいは考えたことがある。
金沢に住む親類の江戸時代の家にはなにかありそうだから、その時はお願いすればいいと段取りまで考えている。

『なんでも鑑定団』を見ていると、骨董にはまって、奥さんに内緒で何千万円も使っている人、たとえその中にお宝があったとしても、大多数のガラクタ、奥さん、本当に気付かなかったの?でも本人の楽しさを思えば、所詮他人事、否定はすまい。

骨董品の目利きはうらやましい。
歴史の背景を知った上で物を見定める、ハンカチで口をおさえ、絵を鑑定する姿、なんともかっこいいではないか。
それ以上に物との出会いが楽しいだろうな、このあたりは手放しで憧れる。
とはいえ、骨董品に魅力を感じても、欲しいということはあまりない。もちろんそんなお金がないということもあるが、前の持ち主は大切なものを手放さなければならなかったことを考えれば、無念の心が一緒についてくるような気がして怖い。先祖代代もちこたえることができれば、そんなめでたいこともないが、物にとらわれるという意味では、うっとおしい。
ただ、時代を超えた文化財には心から敬意を表したい。先人の知恵や技がこの時代の私たちに姿を見せてくれることは素晴らしいと思う。だから、自分で持たなくても見せていただくだけで満足である。

最近絵画については、3千円か30万円かの区別程度は当たるようになった。わかるようになったのではなくて、当たるようになっただけ。筆の勢いがあるかないかが、ポイントと考えて見てゆく。しかし、ここに欲がからまったら、全く価値を見抜くことができないであろうことは、自分でもよくわかっている。

両親は親からなにももらってはいない、ゼロからのスタートであった。
だから、文化に対しての興味は充分教えてもらったが、実際にそういうものを手許におくという考えも余裕もなかった。
父は「教育は税金のいらない財産である」といい、教育面ではずいぶん贅沢をさせてもらった。
ということで、我が家には鑑定団に出せるお宝がない。
みんなで地道に暮らしてきたのだから、お宝がないのが誇りでもある。
うふふ、世間では、こういうの、負け惜しみというのでしょう。






こんなものを買い集めた時期も
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こんな時代もあった
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50年前の
父のおみやげ、フランス、イタリアの人形
母のおみやげ、スペインの人形
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父の思い出の品
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お宝はないけれど、大切なガラクタが我が家にはいっぱいある。
Commented by whitelacenonyo at 2011-07-07 22:16
わぁ〜いっぱいあるのですねお宝が・・・
写真の記念切手は私も持っていて、ここ数年、手紙を出すとき、
使っています。すると喜んだ友人からも同じような切手で返事が来ますよ。
確かになんでも鑑定団に出てくれと言われたら・・・て考えると楽しいじゃありませんか。

うちにはありませんが、lilyさんちには鑑定に出すものいっぱいありそうだからその時は貸してね。
Commented by kimanba at 2011-07-08 08:00
独身時代・・引越しに友人が4人来て
どんどん捨てていこうとするのをストップさせて
「きまんばは思い出が多いんだね」と笑われました。

幾たびかの節目で・・
そういった思い出の品もスッカリ処分してしまって
でもあれは良かった事なのかしら~?と
lilyさんの家のこのお父さまの想い出の品を見ながら思いました。
住居に余裕がないと出来ない贅沢。。
いろんな地を旅行された贅沢。。
人間って最後に残るのは想い出だけですものね。
お父さまは幸せですね。。。こうして残してもらっていらっしゃるのですもの。
それにしても、、、スゴイ数と仏像まで同居の満載感(?)がステキだわ~笑
Commented by kanafr at 2011-07-08 08:15
エーッ!これってすごーいお宝満載じゃないですか!
一番下のお写真の真ん中の棚の左側にあるミニチュアティーセットってもしかしてこれピュータ―じゃないですか?
めちゃめちゃ心惹かれちゃいました。
こちらでは蚤の市だけじゃなく、1年に1回我が街でも家に眠っている本や食器やおもちゃやレコードetc老若男女子供も交じって市民が道路に並べて売るんですよ。大体秋になるとどの町でもやっています。中には古道具市ブロカントといながら高級品もあれば、うーんこれはどうやっても値段がつかないでしょ?っていうのもあって楽しいですよ。
何だかそれに参加したら凄く売れそうなものがshinn-lilyさんのお家には沢山ありそうですね。

Commented by junko at 2011-07-08 16:34 x
うわ―――楽しそう―――
お宝満載じゃないですか――
こっち風に言うと、おばあちゃん、、、ならぬおじいちゃんの屋根裏部屋より って感じ
私は最近こけしにはまってるので、すぐに右上のこけしの顔が...笑

こういうの一個一個にお父様の思い出があるんでしょうね
うちも、母が亡くなった時、整理できなかったもの
父も逝っちゃったんで仕方なく整理したけど
その一個一個を手に取りながら、母と話を..しなかったよなぁ~~とちょっと残念でした
Commented by ank-nefertiti at 2011-07-08 20:45
lilyさん、こんばんは!
凄いですねぇ!
私の父もあちこちで買ってきた民芸品をたくさん持っていたんですけど、どうやら弟夫婦が処分しちゃったみたいです。。。
我が家に持ってくるには量がありすぎて、中からいくつか選ぶには難しすぎて・・・
処分しちゃうなら、一言声をかけて欲しかったなぁ!と思いますけど、もう実家は弟夫婦の家なので、何か言えば波風が立ちますでしょ、だから何も言いませんでした。
母もかなりの量のお人形とか持っているんですよ。
母のものは、全部貰おう!って思ってます。
だって、また弟夫婦は処分しちゃうでしょうから・・・

何でも鑑定団、我が家も好きでよく見ています。
で、いつも言うの、「うちにはなにもないねぇ!」>爆

お父様の遺品のなかで、私はトラの張子に惹かれます~^^
Commented by shinn-lily at 2011-07-08 23:01
whiteさん こんばんは

いえいえ、お宝は本当にないのです。
がらくたばかりですから、
whiteさんのおうちの方が、厳選された美しいものがたくさんあるのですもの、そういう品々をいつくしんで大切になさっている様子、
とても素敵だなと、いつも拝見しているのです。
我が家はついつい目先のものに心が奪われてしまうようで、
ガラクタもここまであつまれば、時々覗いて見る楽しみがないわけではありませんが。

切手、使った方がよいですよね。
4月20日の趣味の切手で、日本画家の名前を知りました。
それにしても15円だったら5枚貼ってもまだ足りない、昔は封書も安かったのですよね。
Commented by shinn-lily at 2011-07-08 23:10
>でもあれは良かった事なのかしら~?と

これは大切な問題定義なのです。
本当に鑑定団に出せるお宝ならよいのですが、そうでないガラクタ、でも思い出、この先どうしたらよいのでしょう。
例えば家を建て替える、老後マンションに引っ越す
その時にはこれらはもちこたえられないだろうなと不安の材料でもあるのです。
自分で買ったものなら、処分ができますが、父のものとなるとなかなか難しい。
最後は思い出だけを心の中に残せばよいのでしょうが、まだその境地になれない・・・まあ、さきのことは思い悩むまい。

仏像、鎌倉の大仏で思い出したのですが、これは伯父が娘にくれたもので、後から、鎮座しました。
伯父は都立高校の教師を退職して、老後に骨董店を鎌倉でやっていました。やっぱりガラクタでも、これは伯父の思い出、
ああ、思い出の海におぼれそう。
ブクブクパーと頑張るわ。
Commented by shinn-lily at 2011-07-08 23:21
kanafrさん こんばんは

>ピュータ― ???

kanafrさんがそうおっしゃると、父は大喜びでしょうね。
でもきっと、なんにもわからずに買ってきていると思うので、そんなたいしたものではないでしょう・・・なんていいながら、も一度手にとってみてみようかしらと急に欲がでてきたワタシ・・・ああ人間なんてこんなもの。

そのブロカントって楽しそうですね。
我が家で価値がなくても、他の方が価値を見出してくれたら、なかなか醍醐味。
価値というのはその人の価値観によって違うのが面白いところですね。
みんなの感性がおなじだったら、ブロカントはなりたたない、ああいいなぁ。
町ではできないけれど、会社でやってみたいな。
それとも
秋・・・kanafr家の片隅に出店させていただこうかしら?
海外に行く時はスーツケースがらがらなのですもの。たくさもっていけそうです。
Commented by shinn-lily at 2011-07-08 23:28
junkoさん こんばんは

junkoさん、こけし、探したのですよ。でも木のいくつかあったこけしは処分してしまったみたい。赤と黒の着物を着ていてね、ああかわいそうなことをしてしまった・・・でもこの歳になって、こけしを探すなんて思いませんでした。陶器のこけし、考えればあまりないかもしれません。

あ、そうですね、junkoさんのコメントで気が付きました。
そうなんですね、母とこれらについて語りましょう。
あ、そうだわ、そうだわ、そういうことがまた大切な思い出になる
母の思い出と私の思い出を一緒にして引出にしまいましょう。
ああ、よかったですupして。junkoさん、いつも気持ちに蜜をそそいでくださって、有難う。
Commented by shinn-lily at 2011-07-08 23:37
杏さん こんばんは

それは、難しい問題ですね。
一声・・・欲しかったですね、娘としてはなんとも複雑な境地、やっぱり残念でしたね。
思い出の品々を見ながら、海外からもって帰られた時のお父さまの様子がよみがえったことでしょう。わたしも、今あるこれらの品の行く先が少々心配なので、お気持ちがよくわかります。
でもお人形がたくさんある、それは素敵です。
杏さんが大切にしてくださるのなら、今からでもすこしづつ、いただけそうですね。
どんなお人形があるのか、見せていただきたい・・・母と同じ世代の方が大事にされてきたお人形、とても興味があります。
いつかupしていただけたら、嬉しいです。
Commented by ihoko at 2011-07-09 00:58 x
>ほら、うちの誰かが有名になって、『なんでも鑑定団』に出てくれって言われたら、お宝がないから、困ると思って」

ご母堂様。何気に可愛い。
ふふっ・・

なんか。お宝が結構ありそうですね。切手懐かしい、昔凝りに凝ってお年玉全部はたいて買ってました。
私ね。イタリアに来た本当の理由は、実はこれなんですよね。骨董。というか、海外のオークション会社に入りたくて、勉強しなおそうと思ったんですが、見事に挫折というか、自分じゃどうにもならない流れみたいなものに飲み込まれちゃった感じで断念。今でもなんかちょっと悔しい夢の跡ざんす。
Commented by uransuzu at 2011-07-09 07:53
子どもたちが小さい時、一緒にこの番組を見ていて、聞いてきました。
「うちにも、宝物ある?」って。
私は、
「うちの宝物は、子どもたちよ」と満面の笑みで答えました。
すると、子どもたちは不満そうに(こんなのいつも言ってるから)
「そうじゃなくて、ほら~、古~くて、ぼろいけど、昔から家にある宝物よ」
すると、横で聞いていた夫が
「それは、ママだな」
と、言ったことを思い出します。
Commented by sarakosara at 2011-07-09 17:33
わぁ、すごい!
これはまさに宝探し状態になりそうですね、
鑑定団はともかくとしても、どれもリリーさんにとっては、思い出がいっぱいのお宝でしょう。
お宝の心配をされてるお母さまも好きだなぁ~
きっと誰かがそんな有名人になりそうな気配を感じてらっしゃるのかも^^
我が家は父が蒐集マニアで、切手やコインもあるのですが、ちょっと変り種もあって、平成11年11月11日の11時とか、そんな切符やわけのわからない父のお宝がいっぱい。
冬休みに一度私も一緒に片付けたのだけど、何がなにやらで、お手上げでした^^;


Commented by bh2005k at 2011-07-09 18:39
お宝、、、家には ありません ・・・ が、土蔵のあるお家を見るたびに 中を見せてください! と、お願いしてみたくなります。
ただし、鑑定はできなませんが 好みの物があったら 「これ、いいですね~♪ 大事にしてくださいね。」 とは 言っちゃいます。
天皇陛下がご結婚された時、50円切手では なかったのですね、、、5年後には50円切手が出現してる。。。
お父さまのお宝は 日本国中、世界中までも みんな一緒に仲良くですね!
Commented by shinn-lily at 2011-07-09 21:11
ihokoさん こんばんは

>ご母堂様。何気に可愛い。

はい、その通りではあるのですが、60歳のわたしを捕まえて、いまだに子供扱いですからね・・・わたしの独り立ちをひぱっている母親でもあります(笑)

ihokoさん、切手に凝った?・・・昔、切手を買い集めていた方はきっといらっっしゃるだろうなと思いましたが、ihokoさんがお仲間だったとは、なんとも嬉しい、サンマリノという国を知ったのもこの頃。
でも、この界隈だけでも何人かいらっしゃるということは、記念切手の価値があがることはありえない・・郵政省の作戦にしてやられた感もありますが・・・・あの頃、切手収集ってある意味、夢を収集していたのかもしれない。

そうそう、ihokoさんの夢ね、その社会への参入に努力では越えられない障害があったのかもしれないけれど、もしそのお仕事についていたら、いいお仕事をなさったと思いますね。冷静な判断力と豊富な知識、ああ、もったいない、・・・・でも愛があったのですね、良かった!
Commented by shinn-lily at 2011-07-09 21:20
uransuzuさん こんばんは

もう、その会話をお聞きしただけで、どんなに素敵なご主人か、そして楽しいご家族かってわかってしまいましたよ。
>古~くて、ぼろいけど、昔から家にある宝物よ
それがuransuzuさん、いいです、いいです、最高の宝物ですね。

家族のひとりひとりが宝物、最高の宝物って実はわたしも考えていたのです。
いえ、わたしだけではなく、世の中みんなそう考えていると思うのですが、だんだん欲がでてくるのですよね、人間って。
でも3月11日以来、本当の宝物がなんであるか、あらためて知ることになりましたね。
Commented by shinn-lily at 2011-07-09 21:31
sarakoさん こんばんは

時々、このガラスケースの前で立ち止まり、ひとつひとつに目をやることがあります。思い出はたしかに宝物、
わたしだけに価値がる宝物ですね。

いやー、どうみても有名人にはなりそうもない、なーーんにも心配はないのに、・・・・母は結構テレビに影響されやすく、お料理や健康法はすぐ実践するほうです、私よりはすなおなのかもしれません。

おお、sarakoさんのお父さまこそ、お宝をお持ちなのですね。
収集って不思議ですよね。切手やコインと対話ができる、たんにお宝集めではなくそれ以上の楽しみがある・・・
父もこんなミニチュアのおもちゃを買いながら旅をしていた時、楽しかったと思います。そのことを考えるとわたしも幸せな気分になります。
ぜひお父さまのご趣味に首をつっこんで差し上げてくださいね。
語りたいことがたくさんおありでしょう。
わたしは、もう聞けませんから、そのことは残念です。
元気な時はガラスケースにわたしは無関心でした。
Commented by shinn-lily at 2011-07-09 21:43
チェイルさん こんばんは

そうなんです、そうなんです
他人の家をちょっとだけ覗きたい以上に他人のお蔵はとても興味がありあますね。
なにかいい物がたくさん入っていそうで、それこそ、そこから、未発見のお宝がザクザクと出てきたらなんて、胸をときめかして考えてしまいます。

>5年後には50円切手が出現してる。。。
今は80円がふつうと考えていたけれど、これまでずいぶん変わってきたのですね。
思えば、手紙って今でも80円でおうちまで届けてくれる
あたりまえだと思っているけれど、これ案外すごいことではないかしら?
お手紙って嬉しいですよね、前にそんなコメントを交わしましたね。
本当にいただくのは嬉しい!
Commented by koko-ran at 2011-07-10 21:47
これはこれは、多国籍のお宝がいっぱい!
お父様との思い出は、お母様の思い出でもあるんですよね。
一個一個に、エピソードがあるでしょう、
鑑定団に出す前に、お話聞いてみてくださいね^^

私の父は80歳になりましたが、定年まで郵便局に勤めてました。
切手シートは、ほとんどそろってて、
何冊にもなったファイルは、父の歴史なんだと思います。
まあ、母はこれ売ったらどう?と時々言ってますが(笑)
Commented by shinn-lily at 2011-07-10 22:41
koko-ranさん こんばんは

いえいえ、本当におたからにはなりえない、ただただ思い出だけなのです。それにしても、よく買ってきましたよね。
食べることにあまり趣味のない父だったので、その分子供用の時計やおもちゃ、絵本、パズル、楽器などいろいろ買ってきてくれました。
当時はまだ1ドル360円で、ヨーロッパなんて夢という時代でしたから
わたしの最初のヨーロッパ体験は父のスーツケースの中にありました。

お父さまの切手、それこそお宝ですね。
それだけきちんとあれば、値打ちもあるでしょうが、お父さまの歴史そのものだから、大切にしたいですよね。
妻というのは、案外クールで、それは夫婦の絆と信頼がるから、そうおっしゃれるのですよね。
母も父が危篤の時、ビョウインに行くのかと思ったらビヨウインでした(笑)奥さんとして、綺麗でいてほしいというのが父の望みでしたから、理がかなっているといえばいるのですがね。
わたしは、ビョウインに詰めっきりだったのです。
by shinn-lily | 2011-07-07 21:43 | 興味 | Trackback | Comments(20)

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